6月14日 写教の会を開催しました
今回は七高僧の一人、インドの龍樹菩薩について謳っている「釈迦如来楞伽山 為衆告命南天竺 龍樹大士出於世 悉能摧破有無見」について見ました。特に「悉能摧破有無見」に着目し、龍樹菩薩が『中論』で空の論理で論破した有見(有自性論)とはどのような考え方であるのか、また空の論理とはどのような考え方なのかを確かめました。私自身が、明確に空の論理をわかっているわけではないのでうまく言葉で伝えることができませんでしたが、ここでの大事な確かめは、有無の見とは、物事現象には何の因縁もないと因縁の道理を否定していく考え方ということです。龍樹菩薩の空の論理は、「何もない。しかし、何もないからこそある。あるけれどもない。ないけれどもある。」ということと聞いております。それを説く事で、仏教が問題とした、「今この身この時」にある因縁因果を深く考えなさいということが龍樹菩薩のお心ではないかと思います。有見も無見も龍樹菩薩からみれば、深く考えることを放棄した考え方でしかなかったのではないでしょうか。自分の偏った思考に止まり、物事を深く考えない生き方を破って下さった龍樹菩薩のお仕事を、親鸞聖人は讃えておられるのだと思います。
次回の写教の会は、7月12日(月)14時~を予定しております。