2月27日 親鸞聖人御命日の集いを開催しました

 前回は復習という形で何故『一念多念文意』が著されることになったのか、一念義多念義のそれぞれの主張等を確かめました。今回から実際に『一念多念文意』の文章に学んでいきますが、東本願寺出版から聞法テキストとして『一念多念文意』が出ておりますのでこちらを見ながら読み進めていきます。
 最初の「一念をひがごとと思うまじき事」という見出しに続いて、「恒願一切臨終時 勝縁勝境悉現前」という善導大師の漢文が出てきます。隆寛律師がこの文を引用した意図は、無常というところに立って一念一念に忘れず怠らずに恒に願えという「恒願」に主眼が置かれているのであろうと思います。この「恒願」について『一念多念文意』で親鸞聖人は「恒」と「常」の違いを明示して、「恒」には「おりにしたごうて、ときどきもねがえというなり」と解釈し、一念一念に忘れず怠らない聖者の姿ではなく、業縁を生きる凡夫の姿に立って見ていかれている。縁が整ったときに自然とこぼれる念仏に仏のはたらきを感じて生きて行く。このことを善導大師の文は伝えて下さっていることを親鸞聖人は教えてくださっているのだと思います。
 次回は4月27日14時から続きを見ていきますので、是非お参りください。