7月28日 親鸞聖人御命日の集いを開催しました

 今回の『御文』三帖目第十通では、真宗門徒が守るべき心得六箇条が説かれています。その背景には、吉崎の繫盛と比例して真宗門徒とそれ以外の者との軋轢が生じていたということがあります。蓮如上人は「仏法を内心にふかく信じて、外相にそのいろをみせぬように」振る舞わなければならないと諭します。外相にそのいろ(不断煩悩得涅槃分)をみせる時、その者は自分は悟った、自分は正しいという誤ったところに立ってしまう。内心にふかく信じるとは、虚心に念仏の教えを聞き続けることであろうと確かめました。
 その後、本格的に『一念多念分別事』・『一念多念文意』に入っていくにあたり、前回の『唯信鈔』・『唯信鈔文意』のように交互に言葉にあたるのではなく、先ずは『一念多念分別事』を読み進めて隆寛の考えを共有するために、現代語訳を読み進めながら引用されている教説やその意図について尋ねました。隆寛の考えは、聖覚の考えと軌を一にしており、一念の積み重なりが自然と多念になっていくというものであった。次回から親鸞聖人が『一念多念文意』でどのようなことを伝えてくださっているのか味わっていきたいと思います。